青【あお】


もっとも美しい色は「青【あお】」だと思ふ。

私は記憶するかぎりで自らの意志で美を意識したのは3歳のころだった。
自分の足で近所を歩き回るようになって見つけたのが、オオイヌノフグリという青い草花だった。人には学んで得る美と、本能で感じる美がある。記憶するところオオイヌノフグリは絵本にも大人達の会話のなかでも登場していなかった為、本能であろうと思う。
それからずっと青は美しいと思い続けている。

大人になると目線がかわり、壮大なものに美や感動を求めがちになってしまう。
その際たるものに海や空がある。その美しさは世界共通であろう。
がしかし、宇宙は闇空間の中なので空が青く透き通っているのは不思議である。
ある意味では地球という部屋の天井が青く輝いているのだと思うと、
なんだか大きな大きなワンルームに住んでいる気がしてくる。

初めて地球を外から見た宇宙飛行士の言葉に「地球は青かった」とある。
ということは屋根も青いワンルームということか。

外も中も青いワンルームの住人だから、「青」が美しいと思うのかもしれない。

なんてことを考えながら海辺で時が過ぎていくのを忘れた週末だった。
(U3)