『ウッド』インテリアライフスタイル展?


東京ビッグサイトにて11月2日〜4日の期間行われていた“IFFT interior lifestyle living”の視察に行ってきました。このイベントは年2回開催されているのですが、6月に開催される雑貨中心の展示に対して、今回の展示は家具が中心のものとなっていました。


全体の印象は、『優しい・柔らかい』といったものがほとんどでした。これは現在の日本の閉塞感や東日本大震災の影響に対する“いやし”の欲求に答えたという背景があるのかもしれません。
素材に注目してみると、80%が木材、20%が樹脂素材といった印象。木材は彩色や異素材との組み合わせというものも少なく、木そのものの色を活かしたナチュラルな製品。樹脂素材は多色展開しているものの、ラバー等の特徴を用いた柔らかい印象の製品が多く見られました。


グラフィックデザインの視点から見て興味深い表現としては、『高度な加工技術を伴う意匠表現』が挙げられます。合板加工・集成材加工・曲げ加工などの進化によって、木材の自然な色合いを活かしながらも見応えのある表情の製品に仕上がっています。平面のデザインとしても魅力的で、なによりも木の特性、そして日本的なイメージを上手く視覚化出来ていると感じました。
多くの木材製品が並べられている今回の展示会でもこういったものは目に留まるものでした。



もう一つの気になったトピックとしては、『地方 × デザイナー』のコラボレーションによる伝統工芸のブランド化が多く見られたことです。而も、石川県や山形県などは県をあげて参加されていました。

私自身、大学在学中に『伝統工芸×デザイン学生』というプロジェクトに関わることがあり、モノ自体は実現できても製品化への道すじまでデザインするのはとても難しいということを何度も感じた記憶があります。

これらの展示の中にはうまく道すじを立てられている製品がいくつか見られました。しかし全体として展示自体に製品化に対するアピールが足りないように感じます。
提案なのか、それとも製品化まで実現しているのか、ということを展示を通してはっきりと示すことがブランド化への可能性を広げるのではないでしょうか。


何故か触りたくなる取っ手。工業製品にはない、作者の思いやこだわり、ストーリーが感じられる作品です。(oaeia)