LEICAとiPhone4


昨日、無事iPhone4を手に入れることができた。初日で予約していたが残念ながら初期出荷の対象者からは漏れたが、二次出荷でやっと手元に届いた。

外観デザインに関してはWWDCの発表会前に情報が漏れ全く新鮮味がなかったどころか、リーク通りのデザインだったこと自体に驚きがあった。リーク画像とは違うだろうと思っていただけに、何か“残念なデザイン”と受け止めてしまったわけだ。デザイン情報漏洩が企業にとって深刻なダメージを受けるということを再認識する機会ともなった。ましては、Appleのような一球入魂のデザインをおこなっている企業には計り知れない損害である。

WWDCの発表会ではスティーブ・ジョブスがその漏洩事件(事故?)を軽くジョークで流しつつ、新しいiPhone4のデザインを紹介した。その説明の中で「昔のライカのようなデザイン」というセリフがあった。

この“昔のライカ”とはなんぞや?となるわけだが、これは間違いなくLEICAの完成形である“M3”といって間違いない。シンプルで無駄のない研ぎ澄まされた外観、高い精度感による組み付け、ファインダーから覗く透きとおった世界、各部の質の高い表面処理などなど、M3を語ると止まらない。写真を撮るだけではなく、M3を磨いて空シャッターを切るだけで幸せである。

iPhone4のデザインは、このプロダクト製品の最高峰といっても過言ではない“LEICA M3”からインスピレーションを受けたわけだ。今回、手に入れてまじまじと眺めていると、これまでの三次曲面を駆使した表情豊かなスタイリングと異なり、平面と二次曲面の角部分のシンプルな構成はまさにM3と同じであることに気づく。また、ボリュームボタン周辺のデザインが、いかにもM3の持つメカニカル表現の影響である。

残念ながら私はM3を所有したことが無く、いつもカメラ屋で触っては買おうかと迷っていた。何を間違ったかM5を購入してしまった。これは露出計を入れたことで大柄になりM3の持っていた美しさが無くなり大変不評だった機種である。実際、撮影すると、手に馴染んで撮影しやすいし露出計があるお陰で安心して写真が撮れる。個人的には気に入っており、今でも手放さず大事に使っている。

さて、日本メーカーはLEICAに追いつけ追い越せを目指して日夜努力をしていたわけだが、この“LEICA M3”登場でショックを受けてLEICAと直接対決を諦めてしまうことになった。つまりレンジファインダーをやめて、当時はニッチな技術であった一眼レフにシフトしたのだ。LEICAは、M3の完成度が高すぎたため大きな方向転換ができなくなり、結局一眼レフに移行した日本メーカーにカメラ市場を奪われてしまう皮肉なモデルでもあった。

iPhone4の完成度は高い。日本メーカーはAppleに立ち向かうすべを無くしているこの現状は、まさに“M3ショック”と同じである。Appleの最近の高慢な態度は当時のLEICA(エルンスト・ライツ)に近いのではないだろうか?まだ勝負は決まったわけではない。頑張ろう日本メーカー。(tarokin)