昨日、よみうりランドのジャイアンツ球場で開催されていたイースタンリーグ巨人VS楽天の試合を観に行った。二軍とはいえ、ゴールデンウイーク中なので観客席は殆ど埋まっているくらい盛況であった。一時サッカー人気の影に隠れていたが、ワールドベースボールクラシックでの連続世界一、日本人メジャーリーガー活躍などで再び野球に注目が集めっている。そのためか二軍の試合でも若い女子が多く観戦していた。まあ、二軍は若いイケメンスポーツマンが多いのだからある意味自然なことではある。
最近では、ソフトバンクや楽天といったIT業界もチームを持つようになった。新興企業がプロ野球チームを持つことは、日本経済界からのお墨付きをもらうことに等しい。IT業界の大企業がプロ野球の球団を持ちたいと考えることはごく自然と言える。
さて、その楽天が試合しているところをはじめて見たが、そのユニフォームに着目した。アウエーでの深いワインレッドのユニフォームは、土のグランドのインフィールドでは目立たないかなと思っていた。しかし、晴天の下で土のブラウンと上手い具合にコーディネーションされワインレッドのユニフォームが引き立ってとても綺麗だった。楽天では、このワインレッドは“クリムゾンレッド”と呼ぶ。土のグランドは一軍では少なくなっているが、あえて土とのコーディネーションを狙ったかのようにセンス良くマッチングされている。この素敵なコーディネーションの中で、背番号やネームの白い文字も高いコントラストで可読性が高く清潔感を感じさせた。
デザインは若手デザイナーとして注目されている佐藤可士和氏によるものだ。ユニクロのデザインで代表されるように、彼自身、非常にシンプルなデザインアプローチを得意としている。楽天のデザインでは、マークなども印象的で良くデザインされていると思うが、秀逸なのはやはりこのワインレッドの色選びだと思う。ややもすると野暮ったくなってしまう危険性があり、土のグランドを背景としたときに溶け込んで存在感を失いかねない。それを上手く料理している。グリーンフィールドでは、補色関係にあることからビビットに目立つし、濃い色彩のため選手の体も引き締まって見える。ちなみに“クリムゾンレッド”は、楽天のコーポレートカラーのビビットレッドと違うどころか、JリーグのVISSEL神戸のワインレッドとも微妙に異なるらしい。サッカーのように派手でエンターテイメントたっぷりのユニフォームと異なり、野球の伝統を意識しつつ新鮮なイメージを感じさせるのは難しい。かなり計算されていることが垣間見られる。
相対的に巨人のユニフォームは、ホームもアウエーも伝統的で鮮度はないが球界の盟主としての佇まいを感じさせる。デザインを少しずつ変化させながらも、イメージを継承する事に成功している好例と言える。実は、イメージを継承しながら発展させるのはデザインの現場ではとても難しい仕事である。楽天においても、このデザインを進化継承していくことに期待したい。(tarokin)