企画展「日本のデザイン2010」



東京ミッドタウン・デザインハブ主催の第21回企画展。5人のキュレーターがそれぞれの視点を提示し、これからの日本のデザインの行く末をあぶり出そうというもの。 6年間のオランダ駐在を終え、帰国したばかりである私にとって、日本のデザインの現状を垣間みるにはちょうど良いかと思い、足を運んでみた。

全体的にデザインとしての新たな視点を提示するというよりは、HCD(ヒューマン・センタード・デザイン)に準拠した考え方に則って、個別のクリエイターがそれぞれの課題に対処していくその方法論を提示しているといったほうが良いかもしれない。キュレーターとして参加しているのはデザイン・プロデューサーやアート・ディレクター、建築家、インダストリアルデザイナー、メディア・アーティストと実に多彩な顔ぶれなのだが、面白いのはそれぞれの職能によってそれぞれの視点を可視化する方法が異なっており、各自のスタイルがよく表れているということ。

プロデューサーである黒崎輝男氏は哲学的な言葉や映像、展示物などによる断片的な情報を提示することで「食と学び」という根源的なテーマを原風景とともに想起させる手法をとっているし、建築家の曽我部昌史氏は各自治体の取り組みを首長に語らせることによって、その人となりと共に暖かみのある「地域」に根ざしたデザインを現前させる。廣村正彰氏はアート・ディレクターらしく「恋愛」という物語をうまく記号化しつつ、コミュニケーションとしての方法論を提示する、などなど。

規模としては1時間もあれば全てをみることができる内容だが、HCDを理論としてではなく、実践として理解したいという方は気軽に訪れてみてはいかがだろうか。会期は5月9日まで。(urikura)

東京ミッドタウン・デザインハブ第21回企画展「日本のデザイン2010」