イエローカントリー
インドと言えばカレー。カレーは黄色い。だからインドは黄色の国である。こんな単純な話はないと思っていたが、初めてインドを訪れて感じたのは、インドにおける黄色の美しさであった。
街中を縦横無尽に走っているオート リクシャー、出店に吊るされているバナナ、風化していつ崩壊してもおかしくないコンクリート壁のペンキ、土の色、サンセットに地面から舞い上がる黄みがかった砂埃、そしてテーブルに並ぶカレーやナン。様々なイエローがインドを奏でているかのようである。インド人も、イエローと調和するかのごとく褐色に焼けた美しい肌を身にまとっている。その褐色の肌は街に沢山溢れ、街に行けば、人、人、人の洪水である。恐ろしくエネルギッシュでパワフルである。
赤道に近い国々は色彩豊かで原色が映える。その中でもインドのイエローは格別である。かなり個人的かつ短絡的な意見で恐縮だがそう感じてしまったものだからしょうがない。もちろん、木々のグリーン、真っ赤に熟れた果実、青空のブルーもインドの色彩を演じる大切な役者たちだが、私の主観ではそれらは完全に脇役である。主役はイエロー。
インド人は、白人、黒人、黄色人種のどれにも当てはまらないアーリア人そのもので第四の勢力だ。むしろアーリア人から様々な人種に分かれていったのではないかと勝手に人類学してしまった。彼らは自分にとって摩訶不思議な人達なので正直何を考えているのかよく分からない。仕事をしていても、心が通じているのか通じていないのか全く掴めないのが率直な感想である。心の中は常に黄色信号。ここでもイエローである。
インドなど新興国ではBOP(Bottom of Pyramid)が注目されているが、TOP(Top of Pyramid)も存在し、その両極は日本人では想像もできない生活である。特にインダス文明からの悠久の時を流れを経た伝統ある国のTOPマインドを掴むには、デザインに対して“格調•格式”が求められる。日本人デザイナーにとってそれを知ることは困難である。むしろ日本人としての伝統や文化に根付いた“格調•格式”を提供することこそが彼らの琴線に触れるのではないだろうか。格調ある文化同士は共鳴するに違いない。つまり黄金の国ジパングの持つ伝統を見直さなければならない時が来たのだ。黄金の国、、、やはりイエローである。
幸いなことに今回の仕事はそのBOPでもTOPでもないので、難しいことを考えずに日本ブランドならではの良質な商品を購買意欲を掻き立てる素敵なデザインと組み合わせてジャンジャン買ってもらおう。市場は馬鹿でかい。おっと、失言でした。イエローカード。
さて、今夜もカレーだよ。(tarokin)