『まねぶ』美術史 @高松市美術館


香川県高松市にある高松市美術館にて森村泰昌さんの『まねぶ』美術史という展示を見てきました。
森村さんは、自ら仮装し世界的に有名な絵画などをポートレートとして表現する現代芸術家です。
今回の展示は『まねぶ』美術史。まねぶとは『真似る』と『学ぶ』の語源となった言葉でこの二つの言葉はまねぶという一つの言葉から派生したものだそうです。内容は、若かりし頃の森村さん作の「ものまね習作」と、そのもとになったオリジナル作品、およびそのオリジナル作品と出会った当時の森村さんの想い 出を語るテキストの三要素をワンブロックとし、年代順に追って行くことで、「私的な美術史」を20世紀の「公的な美術史」と対比させる形で展開されています。
現在私はデザイナーという職業に身を置くものの、これまであまり美術史というものに興味を持てずにいました。しかしこの展示は、当時を生きた一人の芸術家の人生と並べることでとてもリアリティのあるものになっていて心に響くものになっています。森村さんのものまねとオリジナルを並べて見ると、オリジナルの良さ、森村さんはどういったところに刺激を受けたのか、などなどいろいろなことが読み取れます。この展示を見ることで、得体の知れない芸術家というものを少しは理解出来たような気になりました。(oaeia)

高松市美術館